PARIS RIO STORIES

外出禁止令を機に書き始めたパリのバーマンのお話。

パリ退屈日記

パリの外出禁止16日目。
家にいるしかないのでベジタリアンの食事やファスティングを試していたが急にハンバーガーが食べたくなった。iphone を手に取りUber eatsでマクドを検索したが出てこない。
 
携帯ニュースで確認してみると数日前から従業員の健康第一の為テイクアウトはおろかドライスルーも閉めているらしい。それはいい事、その通り。コロナ明けの楽しみが一つ増えた。(←基本ポジティブ)
気を取り直して先日帰国した友人からもらった日本の調味料を使って自炊を始めた。なにしろ時間はある。
 
夕方になってシャブリでワインを作ってる友人からLineが来た。
「リオさん農業興味ないですか?」
 
添付されたサイトにはスピーカーの絵とフランス語で「コロナで農業も大打撃!私達の食の安全、安心の為に力を合わせましょう」と書いてある。

f:id:Rio_Ohashi:20200403154903j:image


 
友人によるとフランスではコロナの影響が収穫期と重なり人が足りないらしい。対策としてフランス政府は飲食業で失業中の人は農業セクターでは失業保険をもらいながら季節労働者として働ける事になったとの事。
 
サイトは人手が必要な農家と一時失業者の飲食業の人を職安を通じてマッチングさせる仕組みになっていた。さすが農業国、政府の救いの手が早い。

(下記実際のサイト)

https://desbraspourtonassiette.wizi.farm/
 
今は普段できない事に時間を割いているけれど(このブログもそう)まだまだ外出禁止が延びるようなら田舎で収穫を手伝うほうがよっぽどいい。春の日が射すプロヴァンスの丘で赤く染まったさくらんぼの収穫を想像しながら電話しているうちにあっと言う間に夜が来た。
 

フランス🇫🇷生活ブログランキングhttps://blog.with2.net/sp/?cid=3272

 

Skypeオーケストラ

パリ外出制限15日目。

フランス国立管弦楽団によるテレコンサート、拝聴。演奏者達が家からSkypeで合奏を行なう。

f:id:Rio_Ohashi:20200401075321j:image


いつもは超個人主義の仏人が有事になるとがっちりスクラム組むとこ、好きそういうとこ。

https://youtu.be/Sj4pE_bgRQI

 

Télé-concert “Le Boléro de Ravel “par l’Orchestre national  de France.

Ça m’a beaucoup touché.

J’avoue que les français sont très individualiste d’habitude mais vous mobilisez toutes votre énergie en temps de crise...Je les aime ❤︎

 

パンデミックのパリから伝えたい事

フランスでは今日も400人以上の方が新型ウイルスが原因で亡くなっています。今の日本の感染者数はつい一ヶ月前までのフランスとなんら変わりません。フランスでも気をつけてくださいと言われ皆気をつけていたんです。でもそれでは不十分で気づいた時には手遅れだったんです。あっという間に蔓延してしまい今では症状がない方も含め国民の半分は感染していると言われています。

日本では有名なコメディアンの方が亡くなりました。僕は友人を亡くしたくはありません。帰国した際に会えなくなるの本当に寂しいのです。

大変だとは思いますが小さなお店を経営する東京の友人達には一度お店をストップして国や都に経済対策を願い出る活動に力を集結して頂きたいというのが僕の願いです。

外出制限の中、この期間に成長できる事を毎日模索していますがもう2週間も軟禁で5月まで延びるかもと聞いては気が重い。昨日より精神統一を兼ねて氷作りに没頭しました。

f:id:Rio_Ohashi:20200404033124j:image
f:id:Rio_Ohashi:20200404033118j:image
f:id:Rio_Ohashi:20200404033114j:image
f:id:Rio_Ohashi:20200404033101j:image
f:id:Rio_Ohashi:20200404033105j:image
f:id:Rio_Ohashi:20200404033110j:image

まだまだ不格好で研究が必要ですね。
早く美しい氷💎とカクテルが提供できる日常が戻りますように。

志村さん、小さい頃から沢山笑わせてくれて本当にありがとう🙏

 

 

↓氷作りの写真の様子がご覧頂けます。

https://www.instagram.com/p/B-X06JSI2ZQ/?igshid=dec6gvhb98tn

 

 

C’est mon premier “brilliant ice cutting “à la maison. Ce n’est pas parfait mais c’est beau quand même.

C’est une période difficile mais j’ai pu passer une belle journée créative en tant que barman aujourd’hui. Et vous?
Bon courage a tous !

 

パンデミックのパリの日常

f:id:Rio_Ohashi:20200330085900j:image

フランス国内で外出禁止令が出てからもう2週間が経とうとしています。
 
買い物に行くのにも日時と理由を書いた証明書が必要になり、警察のコントロールの際に携帯していないと罰金が課せられます。
他にもランニングや犬の散歩は家から1km圏内で行う事、子供のみで出歩く事など移動制限及び禁止事項はかなり細かく決まっています。
 
飛沫感染を防ぐ為に人と人との距離を1,5m開けることが奨励されている為、テレビのニュースキャスター同士も席を離れて座り、入場制限がかかっているスーパーの入り口でもを皆間隔を大きく開けて並んでいます。
 
普段はおしゃべりが大好きなフランス人が話すのを我慢して口をつぐんでいる様子はなんだか親に静かにしてなさいと言われた子供のような顔に見えてきます。
 
それでも我慢できない一部の子供おじさん達は1,5mを保ちつつ大きな声でがっつりコミニュケーション取ってらしゃいます。
 
そうそう、フランス人は普段はそれぞれ好きなようにやっていて人の事なんてたいして気にしないのですが、いざと言う時は皆で団結してすごいパワーを生み出すんですよ。これはもう国民性ですね。
 
外出制限が始まって少し経ってから毎日20時になると皆ベランダに出て想像を絶する現場で戦ってくださっている医療関係者の方々に拍手でエールと感謝の意を送るようになりました。
 
やがてそれは「非常事態下の日常」を支えてくれているその他のスーパーヒーロー達(ポストマンやゴミ収集の方、スーパーマーケットで忙しく働く方々etc..) にも向けられるようになり、今日では通りを越えたマンションのご近所さん達とも励ましのエールを送りあう、ちょっと胸が熱くなる3分間になっています。

土曜だからってスタジアムで花火をあげていたのは少しやり過ぎかもしれないけど。
 
下記パリ20時の様子(パリ市によるドローン撮影)
https://www.facebook.com/paris/videos/743245109783341/?vh=e

 

 

 

 

 

パンデミックのパリより思う事

f:id:Rio_Ohashi:20200329203144j:image

ご存知のようにヨーロッパは完全にパンデミックで現在僕が居住しているフランスは3月中旬より外出規制措置強化、学校及び飲食店、娯楽施設全て閉鎖しています。

 

3/14夜、コロナの影響で空いているレストランに普段から迫力のあるフランス人の社長が血相を変えてやってきて言いました。

「ボトルを全てカーブにしまってくれ、今夜24時に全てのバーやレストランは閉めなければいけなくなった。」

マクロン大統領が政令を発表した20時のその4時間後にはフランス全土のレストランを閉めなければいけなくなったので町中、いや国中の飲食店は大パニックでした。

 ボトルをパンパンに入れたケースを地下のカーヴへ運び入れながら、2018年のシャンゼリゼ店での雇用契約解除の記憶がよぎりました。イエローベスト運動の暴動の影響による客足の激減が理由でした。

 

パリで自分の店を開きたい、そう志高くと覚悟を決めていても自分ではどうしようも出来ない、悔し涙が出そうになる事が9年間のフランス生活の間に何度かありました。「ヤバイかな今回は」直感でそう思いました。無期限営業停止のまま、この人数のスタッフは抱えていられる訳が無い。(3店舗で80人くらい)

ボトルが一本も無いバックバーを不安な顔で掃除をする僕をよそにディレクターが来て言い放ちました。

「リオ、嬉しいか、初めての失業手当は?」

 

フランス政府は飲食店の休業命令と同時に雇用者には一時的失業者として給与の84%を保証する事を発表していました。(3~4月で85億ユーロ)それだけで無く企業支援措置として450億ユーロを捻出する事、子どもの面倒をみるために仕事を休む親への給与補償(15億ユーロ)、商店や自由業者への補償基金(20億ユーロ)なども含まれています。

 

フランス政府の政策及び労働法は移民の僕の生活まで保証してくれるのです。現在コロナに対する日本政府の対応をニュースなどで見る限り、十分な政策を取っているとは思えません。東京で小さなお店を経営している友人やフランスから移民として日本で働いている友人達の事がとても心配です。

 

現在ヨーロッパでのパンデミックが近く東京で起きないとも限りません。政治に関わる方、有識者の方々には自粛要請のみでは無く今は人命を優先に考え、人の移動を短い間でも完全に制限する事、同時にそれを可能にする金融援助政策の提案を願うばかりです。

 

 

 

As you know, Europe is experiencing the pandemic now.

In France, where I am currently living, there has been tightened situation specifically restrictions on outgoing activities since mid-March and has closed all schools, restaurants and recreational facilities.

 

On the night of March 14th, our French restaurant owner’s face changed color and became panicky when he came to the restaurant almost empty due to the influence of Coronavirus.

He told me, “Put away all the bottles to the wine cellar ! The restaurant has to be closed at 24:00 tonight."

 

President Macron announced his ordinance at 20:00 that all restaurants across France had to be closed. Because of this, there’s panic all over the country.

 

While I was carrying a case filled with bottles of alcohol to the underground wine cellar, I remembered the cancellation of my employment contract at the restaurant at the Champs-Elysees in 2018. The reason was that the number of customers back then dropped sharply due to the riots of the Yellow Best Movement.

 

During my nine years of life in France, there was some moment that I almost shed bitter tears, and I’ve even made up my mind to open my own bar in Paris.

I was worried that time as I thought so intuitively as the restaurant said that there was no reason to have a number of employees including me to support its operations. Thus, its indefinite suspension. There were only about a total of 80 people at three stores.

 

Going back to the present time when I was cleaning the bar shelves with no bottles and with an uneasy face; the bar director came and asked me, "Rio, are you happy with your first unemployment benefit?"

 

The French government has announced that it will guarantee employers 84% of the employees’ salary as temporary provision while work is not possible as the restaurant is closed.

 

The government allots 8.5 billion euros for March-April. Not only that but it will also provide 45 billion euros to support corporate businesses, 1.5 billion euros to compensate for parents who had to leave their jobs to take care of their children, and 2 billion euros for shops and free traders including a compensation fund.

The French government's policies and labor laws also guarantee to support even the needs of immigrants like me.

 

As far as the news and other reports on the Japanese government's response to coronavirus are, I don't think it has provided sufficient policy.

I'm very worried about my friends who run a small store in Tokyo or work in Japan as immigrants from France.

There is no guarantee that how we are experiencing the pandemic in Europe will soon occur in Tokyo.

People who are involved in politics and intellectuals should not only request self-restraint but also give priority to human life and completely limit the movement of people even for a short period of time, and hopefully also provide a financial assistance policy that makes limited activity possible.